過去10年の国内養殖魚 漁獲量の推移

●国内養殖高と世界における養殖高

グラフを見るまでもなく、ダントツの中国!人口13億人の大国がトップです。経済成長と、賃金上昇にともなって動物性タンパク質の摂取が劇的に増加しているようです。
輸出も多い中国、その中で食料自給で養殖生産も多くなるのは納得。それに大してわが国日本……。養殖生産は、どんどん少なくなっています。
消費者ニーズに対応できない、価格が合わない、業者が失業している、生産調整、輸入の価格の安さなどの理由により、養殖業も減少しているようです。



●漁業全体に占める養殖の割合(2000年総生産高に占める割合)

・海面養殖とは、海で行われる養殖漁業(例:たい・ハマチ・ほたて・ほや・ひらめ等)
・内水面養殖とは、湖沼などの内陸水面で行われる養殖漁業(例:にじます・こいなど)
・養殖業は、おおよそ20%です。



●養殖業ではどんな魚介類が生産されているのだろうか?
ブリ類が5割以上の生産量です。
その背景には、
*短期間で成長する。
*西日本での大きな需要がある
*ローコストで生産できる
*稚魚が手軽に手に入る
などの理由があります。
ちなみに、ブリ類の生産は西日本で行われています。
その背景には、
*香川県が養殖技術を確立した
*西日本での大きな需要がある
*お祝い事にはブリを食べる風習がある
*養殖技術で、魚が越冬できる分岐店が三重県である(最高11度が限界)
●魚種別産地ランキング
ぶり類 まだい ぎんさけ
1位 鹿児島 愛媛 宮城
2位 愛媛 三重 新潟
3位 高知 長崎 岩手
日本各地で養殖業が行われています。
これからの養殖業は、消費者が養殖生産物に対して持っている安全性への不安、不信感を取り払うために、消費者の要望に応じて情報開示を行い、養殖履歴を明確に示すことが重要です。
その具体的な一つの方法として、「HACCP」方式による養殖管理マニュアルがあります。この管理を実践し、さらに国際基準に適合した生産企業も出ています。ますます、消費者に安全な養殖業。安心して、養殖魚介類を食べましょう。

☆HACCPは食品の安全を保証する簡単で効果的な方法の名称。Hazard Analysis and Critical Control Points system(危害重要管理点分析法)です。
HACCPを使えば食品の安全に対するリスクを予測し、事前に対策する事ができ、危険性の高い食品を探す定期的な検査だけに頼らなくてもよいとされています。